地域猫を見守る優しい社会を願って
幼稚園の敷地に集まってくる茶トラくんたち、
穏やかで優しい6歳の桜猫ココくんと2頭の若い兄弟です。
ココくんの餌やりさんは、何年か前に園から猫を捨ててくるように言われ、泣く泣く遠くに置いてきてしまいました。
それでもココくんは2週間かけて園に戻ってきたのだそうです。ボロボロになって帰ってきたココちゃんを見て懺悔の念を抱いた餌やりさんは大事にお世話を続け、幼稚園も黙認してくれました。
ところが、幼稚園の保護者の方々から、アレルギーや衛生面、安全面から見て敷地内に猫がいることをよく思わない声が上がり始めSNSでの書き込みまであったということで、ココちゃんたちはまた居場所がなくなり当会に3頭の保護依頼が来ました。
野良猫ちゃんには、不幸な命が増えないように避妊去勢をして、その子が健全に寿命を全うできるよう地域の皆さんでお世話をして見守っていく、命を尊ぶ優しい活動『地域猫活動』があることを説明させていただきたいと伝えました。ですが、幼稚園側にはそのような時間の余裕はなく、今回はこちらでお引き受けすることにしました。
小さな2頭は、月影くんと菊之丞くん。ココちゃん(実は男の子)は、虎虎と書いてココと呼ぶことにしました。虎虎くんはメディカルチェックの結果、エイズキャリアでした。
月影くんと菊之丞くんはゲージ暮らしにもすぐに慣れて穏やかに過ごしてくれていますが、虎虎くんは夜になるとずっと鳴き続けていて、無理矢理ゲージをこじ開けようと顔を擦りつけ続けているようで日に日に顔に傷を作るようになりました。
捨てられても2週間かけて餌やりさんのところに戻って来た子です。虎虎くんはこの場所を受け入れられず、元いた場所に戻りたいのです。
本部では、ノエルっ子はゲージ暮らしとなります。このままでは、虎虎くんは里親様に繋がる前にストレスでエイズを発症して死んでしまうかもしれません。
園側に事情をお伝えすると、『死なせたいわけではなかった、新しい家族の元で幸せになってほしいというのはこちらの勝手な思いだったかもしれない。ココちゃんが戻りたいのなら、1頭だけならなんとかこちらで受け入れ頑張ります』とのお返事をいただき、虎虎くんは帰って行きました。
折を見て、地域猫に対する理解を深めてもらえるよう地域猫活動の説明をさせていただきたいと働きかけていきます。
小さな命を尊ぶ優しい社会を子どもたちに伝えていく『命の授業』の準備を当会も始動していく時が来たと感じています。
虎虎くん、
さくら猫は短い一生と言われるけれど、その命を精一杯生きて、喜びを感じる時間をたくさんもらってね…
穏やかな優しい子なのに里親様に繋げられなくてごめんなさい…どうかみんなに優しくされて愛され護られ過ごしてね…
虎虎くんの幸せを願っています。